第4話 なぜ、誰も“優先”しないのか

2025/07/24

投資家である買主様は、時として──

どれほど社会的に優れた立場の方であっても、不動産の購入という場面では、
どうしても「限られた視点」に囚われてしまいがちです。

「できるだけ良い情報を、誰よりも早く手に入れたい」
「自分だけが特別扱いされたい」──
そうした思いが強くなるほど、視野はどうしても狭くなり、
全体のバランスや物件の背景、そして売主様の立場が見えにくくなってしまう。

私はその“偏り”を少しでも整え、
取引の出発点を公平な場所に戻すために、
原則として「楽待」にてオープンに情報を公開していく方針です。

そしてそれは、買主様のためだけではありません。
実は、私自身のためでもあるのです。

私は営業として、“勘”を失いたくありません。

この物件は反響があるか、ないか。
価格設定はどうか、魅力はどこにあるのか──
日々の反応の中から、自分の目利きと判断力を磨き続けたいのです。

これは一切の甘えを許さず、
不動産仲介の“プロ”として立ち続けるための、自分への鍛錬でもあるのです。

そこには、買主様の視野を整えるための仕組みと、
営業としての自分を磨き続ける覚悟──
その両方が、込められているのです。

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執筆者

高木 恵美

複数の業界で営業職を経験し、今は一棟収益マンションの仲介業を全国で行っています。
営業としての土台を築いたのは、リクルートでの4年間。厳しくも濃密な経験が、私の原点です。
感性を大切にしながら、物件の背景や売主様・買い主様の想いに寄り添い、同時に、数字や収支の分析など、専門性もしっかりと持ち合わせた“両輪”の姿勢で、誠実な取引を心がけています。